共感の嵐。人のことを理解しすぎている。
傲慢と善良 / 辻村 深月 (著)
表紙の人、美人じゃないですか?
初めて読んだ辻村先生の作品。
きっかけは、住野よる先生の著書「麦本三歩の好きなもの」の主人公が、辻村深月先生の作風が好きだと言っていたからです。「好きな人の好きなものを好きになる」こんな感じで好きになりました。いつか、三歩ちゃんのことも紹介したいと思います。
私の中でも辻村先生がヒット。
物語は、婚約者の突然の失踪からスタート。
彼女は以前、元婚活相手にストーカーされている気がすると言っていたため、そいつが犯人ではないかと警察に相談。しかし事件性はないと判断され、自分で彼女の実家や元婚活相手を訪ね、真相をつかんでいきます。
彼女の育ってきた環境や過去がわかってくるにつれて…
私の中にある傲慢・善良が、どんどんばらされていく感覚に陥りました。彼女と私は一緒ではないかと。もうそれ以上ばらしてくれるな、と。それはもう台風並みに心かき乱されました。でも痛気持ちい感覚(?)。
逆も然り。
彼の持つ傲慢・善良に共感する人もわんさかいると思います。
でも、そういう部分もしっかり自己覚知することって大事だと思いました。
改善への一歩です。
そして、彼は、婚約者との価値観の違いや考え方の違いを切り捨てるのではなく、どこまでも理解しようと考えていく様が、素晴らしく思いました。婚約者という親密な立場だったこともあると思いますが、相手との違いを理解して受け入れるのって、本当に難しいことですよね。そういう姿勢も、彼から学びたいです。
「恋愛×ミステリー」という感じでスタートしますが、人間の心理を深堀していくような話の流れがとにかくおもしろいです。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか最後までじらされるのも魅力的でした。
本は厚いのに、スッと読めてしまいますので、「あの人めっちゃ分厚い本読んでる!かっこいい!」って周囲に思わせてみましょう。
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